最終回までのカウントダウンが始まった呪術廻戦、展開早いですね。
伏黒も復活し、真希一人しかいなかった禅院家もメンバーは二人になりました。
伏黒が禅院家の当主になったのは、渋谷の戦闘が原因で死亡した直毘人の遺言で伏黒が次期当主として指名されていたからですが、あの相続関係のストーリーにはよくわからない点もありました。
そもそも検認もされていなければ公正証書でもない遺言書を相続人らの前で読み上げるような展開を前にして細かいことを言ってみてもしょうがないですが、司法書士という職業柄、どうしても気になってしまうのは、あの遺言の内容では、直哉が伏黒を亡き者にしたところで直哉には遺産が戻ってこないのでは?という点です。
あの時点で直哉が伏黒を暗殺しても意味がない
伏黒に対しては直毘人から包括遺贈(遺言による全財産の贈与)がされているので、伏黒がそれを拒否しない限り、相続の開始と同時に伏黒が遺産を取得したことになります。
その後で伏黒が死亡しても、伏黒の遺産を取得するのは「伏黒の相続人」であって、直哉ではありません。
ところが、伏黒は未成年であり、まだ子どももいません。
伏黒は両親とも死亡しており、津美紀とも血縁関係がない(甚爾が養子縁組してるとも思えない)ので、あの時点で伏黒が死亡してしまうと相続人不存在となってしまいます。
それでは伏黒に包括遺贈された直毘人の財産はどうなるのかというと、最終的には国庫に帰属することになります。
これでは、直哉が秘密裏に伏黒を葬ったとしても、直哉のところに財産は戻ってきません。
直哉は「殺してまえば後のことはどうとでもなる」と言っていましたが・・・
後の日車のエピソードが少年ジャンプとは思えないほど(モーニングとかビッグコミックみたい)のガチなリーガルドラマになっていたのと比べてしまうと、なおのこと禅院家の相続関連のアバウトさが気になってしまうところです。
どんな遺言なら伏黒暗殺という展開に説得力を持たせられたか
では、自分が後継者に指名されなかった直哉が、伏黒を亡き者にすることでその地位を乗っ取ることができ、なおかつストーリー的にも破綻しないためには、直毘人にどんな遺言を書かせればよかったのかを考察(妄想)してみます。
一番簡単なのは、呪具や屋敷などを信託財産、伏黒の叔父である甚壱を受託者、伏黒を受益者として、禅院家の維持と円滑な運営を目的とした信託を組成するという遺言を書かせる方法です。
そして、「伏黒が成人したら信託は終了し、伏黒が信託財産を取得する」「ただし、伏黒が成人前に死亡または意思能力を喪失した場合には(相伝術式の使い手である)直哉に信託財産を帰属させる」という条項を付けておくのです。
伏黒は未成年ですし、禅院一族との関わりもなかったので、このスキームなら伏黒が未成年のうちは受託者の名目で甚壱に伏黒の監視をさせることができます。
一方、直哉は成人前に伏黒を消してしまえば、直毘人の遺産を取り戻すことができる訳です。
他にも、呪具や屋敷の所有者を直毘人個人ではなく、社団法人としての「禅院家」にしておき、遺言によって伏黒に法人の社員としての立場を付与し、権力争いをさせるというのもHUNTER×HUNTERみたいで面白いかもしれません。
色々と妄想してしまいましたが、残り三話の呪術廻戦でどんな驚きが待っているのか、ファンとしては期待せざるを得ません。