相続登記を司法書士に依頼するメリット

手間の軽減

不動産登記の申請は、司法書士でない方には馴染みのないものですから、申請書への記載は用語の意味を確認しながら行う必要があり、非常に面倒です。

また、添付しなければならない書類についても、役所で集めれば済むものだけでなく、自分で作成しなければならないものがあり、すべてそろえるのは簡単ではありません。

これは以前に法務局の登記官から伺った話ですが、本人申請では記載方法の誤りや添付書類の不足などの補正が必要となることが多く、4~5回程度は法務局に足を運んでもらうことになるそうです。

対象不動産の遺漏防止

相続が発生した場合、亡くなった方が所有されていたすべての不動産が相続財産となりますが、登記申請の際に申請漏れが発生すると、後でもう一度手続きをする必要が生じてしまい、とても面倒です。

遺産分割調停調書作成の際に、一部の不動産に関する記載が抜けていたために登記されていない土地が発生してしまい、対立していた相続人からの協力も得られないという相談を弁護士さんから受けたことがありますが、法律のプロですら見落としてしまう可能性があるのです(余談ですが、その相談は確認訴訟を提起するという方法で無事に解決できました)。

当事務所では相続登記の準備をする際に対象となる不動産の範囲を調査しておりますので、後から追加の登記を申請する必要が生じません。

分割方法についてのアドバイスが受けられる

相続登記のご相談の時点で遺産の分け方が決まっている方もいらっしゃいますが、相談にいらっしゃる時点では分け方について不安を抱いていらっしゃったり、どう分けるのが好ましいのか全くわからないという状態である方のほうが多数派です。

実は遺産の分け方、特に不動産に関しては配慮すべきポイントが多岐にわたるため、相続に明るい専門家からアドバイスを受けることを強くお勧めいたします。

事例:父、母、長男、長女の4人家族で自宅不動産を所有していた父が亡くなったケース

検討すべきポイント① 相続直後の自宅の利用方法

自宅に住んでいる人がいるのかいないのか、住んでいるのが誰なのか、売却の要否とその可能性などが、誰を所有者にすべきか判断する際の材料になります。

検討すべきポイント② 将来的な自宅の利用方法

建て替え予定の有無、住宅ローン借り入れの可能性の有無も考慮するべきです。土地の所有者が認知症になってしまうと住宅ローンを組む際に土地を担保にすることができず、借り入れができなくなる可能性があるため、将来的に家を建て替えることを考えている場合には、若い方が土地を相続しておくのが無難です。

検討すべきポイント③ 家族の仲

家族の仲が良いか否かということも、遺産の分け方に影響してきます。

例えば、この事例において子供たちが不仲である場合には、母は不動産を取得しないほうが無難でしょう。母の相続の際に子供たちがもめる可能性が高いからです。

同居している子に相続させるか、どうしても母が相続するのであれば遺言書を作成しておくべきでしょう。

検討すべきポイント④ 当事者の年齢

不動産を取得される方の年齢によって、この事例ですと母の年齢が97歳である場合と66歳である場合ではだれが不動産を取得すべきかという判断が異なってくる可能性があります。

次の相続の発生が近いのか、まだまだ先なのかというのは重要な要素です。

検討すべきポイント⑤ 当事者の所有資産

多くの場合、1次相続より2次相続のほうが相続税の基礎控除が少なくなります。

本件事例の場合、父の相続(1次)の基礎控除は4800万円ですが、その後に訪れるであろう母の相続(2次)の基礎控除は4200万円ですので、母の資産状況によっては、父の財産を相続することによって相続税申告の要否が変わってしまう可能性があります。

遺産分割協議の際には、ここまでに挙げた要素を考慮する(ほかにもポイントはあるのですが、細かいので割愛します)のですが、何を優先すべきかは家族ごとに事情が異なるため、「これが正解」というものはありません。

ただしその一方で、明らかに好ましくない選択というものは存在します。

当事務所ではこのようなアドバイスも相続登記の基本料金に含まれておりますので、気になることや不安なことがおありでしたら、お気軽におたずねください。

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