銀行や法務局に遺産分割協議書を提示するときには、相続人全員が遺産分割協議書に署名押印していることが分かるように、誰が相続人なのかを明らかにする必要があります。
そこで、相続関係説明図を作成するわけです。
相続関係説明図は、いわゆる家系図のうち、今回の相続に関係のある親族だけを記載した図面だと思ってください。
相続関係説明図は、相続関係が確認できる戸籍一式と一緒に使用しますが、相続関係説明図の内容を法務局に持っていき、「法定相続情報一覧図」という書面を交付してもらうと、戸籍を添付しなくても「法定相続情報一覧図」だけで相続人の範囲を証明することができるようになります。
作成の流れ
必要な資料を収集し、その資料に基づいて作成します。
司法書士にすべてお任せいただいた場合、相続人全員が同一市町村から戸籍を移していなければ戸籍は一週間程度で集めることができますが、相続人があちこちの市町村に転籍してしまっているときには1~2か月、転籍の回数が多かったり相続人の人数が多いときにはそれ以上の時間を資料の収集に要することがあります。
相続関係説明図の作成に必要な資料
亡くなった方の生まれてから亡くなるまでの戸籍一式と、相続人となる方の現在の戸籍を用意します。
生きていれば相続人になるはずだった方が先に亡くなってしまっている場合には、その方が生まれてから亡くなるまでの戸籍一式を揃え、その方の子ども全員の現在の戸籍も集めなければなりません。
亡くなった方に離婚歴があった場合、離婚した配偶者は相続人にはなりませんが、離婚した配偶者との間に子どもがいた場合には、その子どもは相続人になります。
亡くなった方が養子縁組していた場合、養子も相続人になります。
亡くなった方に子どもがおらず、養親がいる場合には実親だけでなく養親も相続人になります。
相続関係説明図の作成
決まった書式はありませんが、金融機関や法務局での手続きに支障が出ないよう、必要な事項を記載します。
簡単な内容であればすぐに作成できますが、3世代以上さかのぼって作成しなければならないようなときには作成に数日の時間を要します。
「法定相続情報一覧図」を法務局に発行してもらう場合には、さらに数日かかります。